
技能五輪全国大会メダリストさんと対談!!なぜ建設業界に入ったのか?プライベートまで丸裸♪
まこ:こんにちわ。
本日も「まこの”ドキドキ”突撃インタビュー」へのご対応をご了承いただいてありがとうございます。
今回は技能五輪全国大会メダリストさんと”ドキドキ”対談をさせていただきます。
技能五輪全国大会とは
今年で、第55回を迎える技能五輪全国大会は、青年技能者(23歳以下)の技能レベルの日本一を競う技能競技大会であって、その目的は、次代を担う青年技能者に努力目標を与えるとともに、大会開催地域の若年者に優れた技能を身近にふれる機会を提供するなど、技能の重要性におかれています。

まこ:まず初めに自己紹介をお願いします。

星:星 隆行(ホシ タカユキ)
年齢30歳(1986年12月生まれ)
新潟県立新潟工業高校卒
2009年いばらき大会「第1回とび競技」で敢闘賞

倉持:倉持 忠裕(クラモチ タダヒロ)
年齢27歳(1989年11月生まれ)
佐賀県立佐賀工業高校卒
2010年神奈川大会「第2回とび競技」で金賞

野中:野中 俊宏(ノナカ トシヒロ)
年齢26歳(1991年1月生まれ)
長崎県立長崎工業高校卒
2011年静岡大会「第3回とび競技」で銀賞
まこ:星さん、倉持さん、野中さんありがとうございます。
みなさんは技能五輪全国大会出場経験者メダリストさんと聞いています。
早速インタビューを始めさせていただきます。よろしくお願いします。

建設業界に入ろうと思ったキッカケは?
まこ:まず始めに、なぜ建設業界に入ったのかを伺いたいんですが…。
星:倉持からいこうよ

倉持:「とび」になりたかったからです。
まこ:シンプルなんですね。

倉持:モノ作りが好きで・・・まぁ、人並みなんですけど。
まこ:いつからモノ作りが好きだったんですか?
倉持:中学校くらいからですかね。
まこ:最初に作ったものは?
倉持:木の入れ物でしたね。
彫刻刀で掘ったような
まこ:それ、なんか私もやったことがある気がします(笑)
星:図工の授業でね。

まこ:星さんは?
星:僕は自分の手で、自分の家を設計したいと思って、高校の建設科に入ってちょっと挫折して・・・今は「とび」っていう感じですね。
まこ:(挫折したということは)1回、違う道に行ってみたかった?
星:いえ、もともと、家を設計したかったんですけど、“おつむ”が・・・。
もともと、建築家になりたくて、建設科で勉強していたんですけど、(建築家に)なれないってわかって、うだうだしてたら。
倉持:身体動かすほうに?
星:そっちの方向に行ってしまったと。
まこ:じゃあ、野中さんは?

野中:父親がタイルを貼る仕事をしているんですよ。
まぁ、そういうのを見ていたから、おのずと建築科には進んだんですけど。
設計とかデスクワークみたいなのが苦手で、職人の方がいいかと思い、高校で求人票を見たら、「とび」の会社とかしか無くて、どうせやるなら東京で仕事がしたいと思い、先生に相談したら「向井建設」を勧められた。

「技能五輪全国大会」に出ようと思ったキッカケは?
まこ:「技能五輪全国大会」に出ようと思ったキッカケを知りたいんですが。
私はこの大会の存在を知らなかったので。みなさんどうやって知ったんですか?
星:学生のころから俺は知ってたよ。
野中:え、学生のうちに?

星:うん。学生のころから見学に行ってたもん。
俺は1人目の子供が生まれたとき、なんかしらの日本一になりたいなと思ってたの。
で、そのくらいの時期からいろいろと探してはいたんだけど。
で、いろいろ探していたら、会社から技能五輪全国大会に出ていいよって言われたから、現場の職長からは、忙しっくて反対されながら出た。
倉持:現場職長の反対を押し切ってですか?
星:そう。

まこ:そうですよね。技能五輪全国大会の日本一って、結構ハードルが高いような記事を読んだんですけど、どうでした?
星:それはそっち(倉持さんを指さし)に聞いてよ。
俺はコンプレックスしかないから。
野中:俺らは敗北者っすからね。
星:俺らじゃないよ。俺だけだよ。
まこ:なんでですか?
星:いや、正直、俺、絶対に1位(金メダル)になると思っていたからね。
野中:うんうん。

星:(技能五輪全国大会に)行けば1位になれると思っていた。
まこ:行けばなれると。で、行けば1位になれたのが・・・(倉持さんを見て)
倉持:いやいや、そんな簡単なもんじゃないですよ!
そりゃ、必死でしたよ。
向井建設、伝説の鳶、国重(クニシゲ)さんっていう方がいたんですけど、その方が僕に一生懸命教えてくださっていたので。
国重さんの期待に応えなきゃいけないなとは思って・・・。
星:俺だって思ってたよ。
まこ:みんな同じ気持ちで。
星:でも(技能五輪全国大会に)出たとき、俺が絶対1番だと思ったでしょ?
倉持:俺は思わなかった…不安でしかなかったです。
星:「絶対、俺だ!」って思ってたけどな。
まこ:じゃあ、星さんが1回目、倉持さんが2回目、で、野中さんが3回目・・・?
野中:そうです。
倉持:僕は星さんが出たので、出ようかなと。
まこ:で、野中さんも出ようかなと?

野中:そうですね、会社から話が来たので。
あと、星さんと同じチームだったっていうのもありますね。
実は、倉持さんの次は俺だなと。
で、同期の社員と一緒に出て、同期に負けて「銀メダル」。
会社としては、「金メダル」「銀メダル」のダブル受賞だったけど。
まこ:次の年も技能五輪全国大会に出たいなとかは思わなかったですか?
野中:思わなかったなぁ。
星:マジで?
野中:星さんは、出たいと言ってましたもんね?
星:俺は出たかったけど、年齢制限があったので出られなかった。
まこ:23歳以下は・・・って書いてますもんね。
星:俺が出たのが23歳のときだから。
まこ:大会は大変なんですか?
野中:大変っていうか…楽しいですよね。
星:俺はみんなと競技が違うからね。
倉持:作るものが毎年、違うんですよ。
まこ:星さんは何を作ったんですか?

星:俺の時は「真づか小屋組」という課題で「小屋」を作りましたね。
野中:倉持さんの年は、1番めんどくさかったんじゃないでしたっけ?

倉持:そうです。「登り渡り桟橋」という課題で「スロープと橋」みたいなものを作りました。

まこ:何を作るかっていうのは、当日、言われるんですか?
それとも課題があって、練習していくっていう?
それは毎年、レベルが違って大変そうですね。
倉持:自分達は、現場が忙しいので、練習期間が短いんですけど、他の都道府県の出場者は何か月間か練習しているらしいですよ。
まこ:人によっても練習期間が違ってくるんですね。
星:俺は2ヶ月、練習したけどね。
倉持:え、まじっすか?
野中:まじっすか?!
星:うん、2ヶ月。
倉持:現場は空けてないんですか?
星:現場空けて、毎日練習だけしてたよ。
野中:2週間とかじゃないっすか?
倉持:俺は…2週間。………(小声で)2ヶ月!!

星:バカにしてんの?!(笑)
倉持:してないです!

全国大会の思い出、大会後の変化は?
まこ:大会の思い出とかないですか?
野中:ほかの競技とか見に行きませんでした?
あれは楽しかったなぁ。
星:真面目な話、ほかの競技をみることで、勉強になったよ。
倉持:俺は行ってないですね。
星:行っていないんだ?
倉持:俺、会場が横浜だったんで。
星:じゃあ、すぐ家に帰っていたのか。
野中はどこだった?
野中:俺は静岡でした。
まこ:野中さんは大会に出た後、変わったこととかありますか?

野中:会社の安全大会という大きな大会があるんですけど、それで技能五輪全国大会の報告がされて表彰され、社内報に掲載された後は、ほかの現場に応援とか行くと、協力会社の人達に、「銀賞の人だよね?」とか言われて、イジられるというか。
それをネタに会話をしていますね。
まこ:倉持さんは?

倉持:今でも現場に行くと、(技能五輪優勝したことを)風のうわさで聞いたみたいな人が『技能五輪に出たんだ?』って、言ってくれて。
星:すごかったもんねぇ、フィーバーだったもんね。(笑)
倉持:フィーバーでしたか?
野中:倉持さんのとき、フィーバーでしたね。
星:完全に俺をネタにしたフィーバーだったもんね。
野中:確かに。
まこ:聞いたら悪いかもしれないんですけど…どこがダメだったとか、思い当たる節はあるんですか?

星:今思えば、小屋を組む際の『ルール設定』があったらしんですよ。
俺は1番早く組んだんだけど、それが“雑さ”みたいな感じでとられて減点されて。
安全帯をかけて作業する場所と、安全帯をかけなくて作業する場所をキチンを分けなきゃいけなかったらしいけど、それができなかったとか。
ちょっと小走りだったのもダメだったみたいで。
まこ:小走りもダメなんですか。
星:倉持は言われなかった?
倉持:言われなかったです。

野中:僕は「時間をいっぱい使って、課題の図面通りに組めばいい」って言われましたよ。
だから、指導者の国重さんは、星さんに申し訳ないことをしたって、悔やんでましたよ。
ま、星さんが第1回大会でミスしたデータがあったからこそですよ。
倉持:そうです。
星:俺の屍を・・・?
まこ:第1回目の屍をね。(笑)
まこ:会社に新しく新人さんが入ってくると思うんですけど、仕事の指導とかしないんですか?
星:俺はしているつもりだけどね。
倉持:星さんは指導していると思います。
まこ:星さんは結構厳しめなんですか?
星:それは俺に聞かないで。
野中:いや、でも、星さんは大丈夫ですよ。
星:お前、前に「厳しい」って言ってたじゃねぇかよ!
野中:いや、でも星さんのいうことは的を得てますから。
理不尽じゃないんですよ。
とげがあるだけです(笑)
まこ:やっぱり教えて伸びそうな人、わかります?
星:わかんないよ。教育に関してはね、話せるものはなにもないよ。
まこ:声が小さいですよ(笑)
星:ほんと人を育てることの理屈は話せないな。

技能五輪全国大会を目指す人に一言!!
まこ:技能五輪全国大会を目指す人たちにひとこと、お願いします!
星:うちの弟も大工やっていて、小さい工務店で働いてるんだけど。
技能五輪に出るだけでお金かかるし、経費かかっちゃうから、出場はダメだったんだって。
でもやっぱり、大会に出て自分の中で広がるものがあるじゃん。
価値観とか。だから、絶対にやったほうがいいと思う。
まこ:やっぱり価値観が広がるのはいいですよね。
星:どうしても会社の中で、建設業界の世界だけになっちゃうから、知らない人や他産業の仕事をみるっていうのも大事だなぁと思う。
野中:じっくり見たこと、ないですもんね。
倉持:僕はみれてないです・・・(笑)
星:そこなんだよ!
倉持:ほかの競技もみていないし、自分の種目もみていない。
星:レストランサービスの人はねぇ、どういう姿勢でやっているのか。
そしてね、競技でダメだった時、レストランサービスの女の子が泣いてたんだよ。
「がんばってるなぁ」と思ったよ。
まこ:ほかの競技を見に行って、なにが1番楽しかったですか?

星:レストランサービス。
野中:僕は「造園」が楽しかったっすよ。
星:たしかに、楽しかったね。出場選手の女の子に関心があったとか。
よこしまな気持ちがないよね。
野中:ないです、純粋なんですよ。
素人目でみても楽しかったですね。
まこ:倉持さんは・・・みてないんですもんね?
倉持:まったく見てないです。競技を5時間やっているんで。
僕の競技が終わったころには、ほかの種目も終わってたので。
野中:俺なんか午前と午後で分かれてましたから。
星:俺は50分だったから。
まこ:早いですね、50分・・・。やっぱり思い出はいっぱいですね。
星:俺は悔しかった思い出しかないからね。
野中:たしかに、星さん、悔しがってましたもんね。

星:めっちゃ悔しかったよ。
なんだったら、倉持の年の方が悔しかったからね。
なんでだよ!くそって!
倉持:僕はあんまりいい思い出がないですね。
野中:なにかと茶化されてましたもんね。
俺の年で、そんなにポンポン取れるんだなって感じになったんじゃないですか。
俺は倉持さんほどひどくなかったですもん。

まこ:まぁ、建設業界では有名人になっちゃうんですね。
倉持:いやいやそんな・・・メジャーじゃないですけど、話題作りにはなる。
まこ:優勝すると賞金とかもらえるんですか?

倉持:もらえません。
開催地域に縁のあるメダルがもらえます。
星:でも、ステージに呼ばれて表彰台に昇るのはすごいよ、表彰台。
まこ:それは気持ちよさそう。

倉持:たしかに気持ちよかったです。

趣味や家族、ライフスタイルについて
まこ:みなさんのライフスタイルについて聞きたいんですけど。
星:倉持からいこうよ?
倉持:独り身です。
まこ:あんまり結婚に興味はない?
倉持:いえ、あんまり縁がないだけです。
まこ:そうですよね、忙しいから。
倉持:そんなに忙しくはないんですけどね。
まこ:星さんはどうですか?
星:僕は妻と、子供2人ですね。小4と小2。
まこ:男の子ですか?女の子ですか?
星:両方とも男です。
まこ:じゃあ、とびの仕事について、いいなぁとか言われたりしませんか?
これ、作ったんだよ!とか。
星:まぁ、時期にもよる。今はどう思っているかわからないですからね。
でも、現場に遊びに来たり、見学会とかがあると、そういうときはうれしそうですけどね。
まこ:野中さんは?
野中:うちは妻と、2歳の子供がいますね。
星さんと同じように家族見学会に連れて行ったんですけど、重機とか見たり、乗ったりして、喜んでいましたけどね。

これからの夢、やりたいことは?
まこ:これからの夢とかありますか?

野中:俺は願望ありますよ。
自分でクレーンを合図して、部下に指示しながら、でかくて超高層の鉄骨を組んでいきたいですね。
今は先輩がいて、その手元なので。
ひとつ先の役割にいきたいなと思います。
まこ:いつぐらいに叶えられそうですか?
野中:まぁ、近い将来。
星:数字で言ってくれ。
野中:来年!
まこ:倉持さんは?
倉持:迷走してます。
人に迷惑をかけない大人になりたいですね。
まこ:あんまり仕事とは関係ない?
倉持:いや、かなり仕事と関係あります。
まこ:そんなに迷惑かけちゃうんですか?
倉持:まぁ、迷惑、かけないようにしたいですね。
違う職種の人とかとも絡みがあるので。
ま、迷走してます。
まこ:星さんは?
野中:みんな、せきららに言いましたよ?

星:じゃあ言うけど、とびの仕事ってイメージがよくないじゃない?
そういうので俺らの仕事を誤解されたらいやだなと。
倉持:ちょっと怖いんじゃないの?とか、汚いとか。
星:そう、だからその辺のモラルの向上を目指しています。
職業としてのイメージを上げていきたい。
まこ:私的にはケガとかの心配はありますね。
星:結婚する人の相手の親とかにも心配かけるからね。
誤解があると。
「鳶職」の楽しさについて
まこ:この仕事の楽しさとかないですか?
野中:目に見えて建っていくのは楽しいですよね。
星:へぇ。
野中:え、ないですか?
みていて、朝なかったところがガッと建っていたりすると。
星:少しづつしか上がっていかないからなぁ。
俺は下から見ているからかな。
星:俺は将棋みたいで楽しいなとは思う。
野中:目に見えて建っていくのは楽しいと思うけどな。
気が付いたらカーテン(外壁 *カーテンウォールの略)とか付いていて。
そういうのはモノづくり、いいなぁとは思う。
まこ:倉持さんは?
倉持:やることが毎日違うんですよ。
星:一緒でしょ?
倉持:全然違うじゃないですか?ハハハ・・・まぁ、でも、迷走してますね。

インタビューを終えて...
まこ:今日はどうでしたか?
星:お酒があると思ったから・・・。
まこ:お酒はないですね。
野中:ちょっと期待してました。

まこ:お酒あったらもっと喋れてました?
野中:喋らなくてもいいことまで、喋ってましたね。
まこ:会話が飛び交っちゃって。(笑)

まこ:以上、マコと技能五輪全国大会メダリストさんとの対談でした。
本日は本当に貴重なお時間を頂きありがとうございました。
最後に建設現場で働くみなさまへ
どうぞご安全に!!