道具は何を持っていけばいいですかとよく聞かれます。
実はほとんどの現場で、特に持ってきてもらうものはありません。
始めのうちは地走りや、補助を担当してもらいます。どちらかというと準備・運搬・片づけなどが仕事です。道具を使う事が少ないですし、必要な場合はある程度こちらで用意し貸し出します。まあ革手袋などはあると良いかもしれません。
そうは言っても、仕事を覚えれば覚えるほど、工具は身近なものとなります。
そこで、仕事をしていくにあたって揃えてきた道具の話をします。
もし、工具だけでなく作業着などの解説もまとめて読みたい方は、
鳶職FAQ:鳶(とび)職の”作業着・道具”を一挙解説!をご覧ください。
※重量鳶など特殊な鳶になると、扱う物も特殊になるのですが、自分で用意する物は足場鳶や鉄骨鳶と変わらないと思います。
・金づち
用途により数種類あります。くさび式足場には大きめのハンマーを使いますし、解体などにはくぎ抜きがついている物を使います。
・スケール(5.5mある物推奨)
長さや距離を測るだけではなく、足場の設置位置の確認や、荷物を吊り上げる時の重心位置の算出などにも必要です。
・クリッパー
長いもの(鉄パイプなど)をまとめる、基礎工事の時に使用する鉄筋をまとめる、などの作業に使う番線(針金)を切る為に必要です。
・ラチェットレンチ(片方がとがっているもの)
ソケットサイズ17mmや21mmのものを主に使っています。とがったほうはボルトを通す重なった穴を合わせる為に使います。
・モンキーレンチ
ラチェットレンチで締められない(緩められない)サイズのものを締める時に使用します。
・インパクトドライバー
鉄骨鳶ではかなりの頻度で使う為、購入しても良いと思いますが、始めのうちは必要があれば会社で用意してある物を使えば良いと思います。
・セーフティーワイヤー(落下防止コード・ロープ)
各工具が落ちないように工具と安全帯・ベルトなどを固定する、作業もしやすい長さのあるワイヤーです。重さのある工具、とがった工具などを固定します。
・安全帯
現場によってダブルフックなどの規定がある為、2本必要となる場合があります。
ショックアブソーバーがついているものとついていないものでは体への負担がかなり変わる為、自分で用意する方もいます。
・ヘルメット
・油性ペン
・革手袋
・安全靴
どこに行ってもある程度こなせるという工具・装備品一式はこの位でしょうか。
ただし、現場によってはこの他に必要なものもあります。
必ずしも自分で買う必要はないのですが、自分が使い慣れた道具を持つことで、より、周囲に注意を向ける事ができますので、現場をこなす毎に少しずつ用意していくと良いでしょう。
補助的な工具や、工具をより便利に使える装備品などもありますので、自分の得手不得手に合わせて揃えてみてください。